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2008年08月27日

●あべし

先週の週末、殿方が泥酔してタクシーに乗り、そこにバッグを忘れてきるというオチャメをやらかしました。
幸い、財布と部屋の鍵はポケットに入ってたので、非常事態にはならなかったのですが、雑誌だとか、新聞だとか、給与明細だとかが入っていたそうで、警察とタクシー協会に届けを出して1週間、「バッグ、出てきました」という連絡が入った。
・・・仕事中、TELに出られないため、私のケータイが連絡先になっていたのです・・・
殿方にメールで知らせ、退社後、TELがあった。
「いやぁ・・・実はかれんにもらったペンが入ってたから、凹んでたんだよね・・・」
そう、前にも泥酔して私のあげた眼鏡を失くしやがったんだよ、この人は。
そして、私にめちゃめちゃ怒られているのだ。
でも、私、ペンなんてあげたっけ?
「ペン・・・ってなに?」
「もらったじゃん、ペンだよ、ペン」
私がトボケていると思ったのか、「ディスイズザペン、何だばかやろー」と、似ているんだか、似ていないんだかよくわかんない、荒井注のモノマネを始めた殿方。
そして余計に混乱する私だったが、ふと気づいた。
私じゃない。
私はペンなんかあげてない。
「ペンなんてあげてないよ、誰にもらったんだよ」
胸をはって、ナナメ上から見下ろすカンジ。
心は鬼の首を獲ったモモタロウ。
あとは財宝を持って、故郷に錦を飾るのみ。
金メダルを首からさげて、成田空港の動く歩道でフラッシュを浴びる北島康介だった。
「ははぁ~ん・・・お前、そういうこと言うんだな」
なぜだろう、急に不安が胸をよぎった。
チョーキモチイイ北島康介が一転、気がつけば、四方から楚の歌が聞こえてきた項羽の気持ちになった・・・これこそまさに、四面楚歌。
「お前が同じペンをプレゼントするようなことがあれば、にっこり笑って「ありがとう、2本目だね」って、ありがたく受け取ってやるよ」
その言葉は、ケンシロウの「お前はもう死んでいる」と言われたときにように・・・いや、実際に言われたことはないのだが・・・胸に突き刺さった。
・・・ケンシロウに秘孔を突かれ思い出してしまった・・・去年のクリスマスに、ウォーターマンのペンをあげたんだ・・・しかも「リンドバーグも使ったウォーターマンだ」とか偉そうに講釈たれながら・・・
「あべし」
私の心が断末魔の叫びをあげた。
オリンピックで世界新を出して金メダルを取ったのに、尿検査したら、前日に緊張しすぎて眠れなくて、競技の直前にモーレツに眠くなってしまったので、眠気覚ましにがばがばコーヒーを飲んだら、それがドーピングにひっかかっちゃってメダル剥奪された哀れなアスリートと化した私がそこに居た。

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